東京都公安委員会 殿

2003年4月18日
WORLD PEACE NOW実行委員会

2003年、3月8日における、わたしたち 「WORLD PEACE NOW実行委員会」が行った示威行動に対し、東京都公安委員会が、東京都公安条例に基づいて東京都公安委員会指令第3129号で、「申請の件別紙条件をつけてこれを許可する」とした条件(以下)について、異議を申し立て、東京都公安委員会による4月末日までの各異議への書面による説明、当申し立て日以降の集団示威運動に対する条件の撤廃を要求します。
なお、この異議申し立ては、同3129号に添付された、
「この処分について不服があるときは、当公安委員会(警視庁警備部警備第一課経由)に対して、この処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に異議申し立てをすることができます。」との記述に基づいています。

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条 件 書

本件集会及び集団示威運動を許可するに当たり下記の条件を付ける。
主催者は、参加者に対し条件を周知徹底させて集会及び集団示威運動の秩序を保持し、現場責任者及びその補助者は、役職を明示した標識を付け責任区分を明らかにされたい。

交通秩序維持に関する事項
1 行進形態は、5列縦隊、1てい団の人員はおおむね250名とし、各てい団間の距離はおおむね1てい団の長さとすること。
2 蛇行進、渦巻行進、ことさらな駆足行進・おそ足行進・停滞、座込み及び先行てい団との併進、追越し、又はいわゆるフランスデモ等交通秩序を乱す行為をしないこと。

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◎交通秩序維持に関する事項

この条項は交通秩序維持を最優先としているため憲法に違反しているのではないでしょうか。公道の全面使用こそが安全保持上も最善と考えます。

交通秩序が公共の利益として大切であることと同様に、示威行動も集会の自由、表現の自由として憲法に保証された国民の権利です。両者の調整を行いこそすれ、都の条例として、交通秩序維持を最優先することは憲法違反と考えます。説明と撤廃を求めます。
たとえ合憲であったとしても、特に、わたしたち"WORLD PEACE NOW実行委員会"の示威・表現行動は、3月8日4万人、3月21日5万人(警察発表でも1万超))、4月5日1万8000人という規模であり、交通秩序維持を義務とする警視庁の責任にも敬意を表しますが、多くの都民、国民が交通維持に優先、公道を最大限使用しての行動に賛意するものと考えます。また、徒な治安維持がかえって参加者に抑圧、弾圧として捉えられる面もあります。全面的な公道使用がかえって参加者、歩行者にとっての安全確保となり、交通秩序も維持できると考えます。
民主主義国家の国民として、公道の全面使用については、たとえば「1万人以上の参加者であれば」と定義を明確としてWORLD PEACE NOW実行委員会の主催かどうかに関わらず、可能とするべきでしょう。説明を求めます。

◎1 について

わたしたちは、示威行動を行っているのです。当該条件は示威効果を減少させるので、異議があり、説明と撤廃を求めます。

○5列縦隊条件は不要
・行進コースは公道であり、本来全面を使用できるものです。
・そもそも何列縦隊というものは、参加者の安全に配慮して主催者自身が決めるべきものです。
・コース上、最も狭いところにあわせるとの理由を口頭で聞いていますが、明確な書面での説明を求めます。
・少なくとも、コース上で最も狭いところに隊列をあわせるとしても、車道は最低往復2車線あるものですから、2車線、よって10列縦隊を編成、行進できなければいけません。

○1てい団の人員はおおむね250名とし、各てい団間の距離はおおむね1てい団の長さとする
・この制限にはなんの正当性もありません。
・あからさまに、示威行動の示威性を損ねる条項であり、書面による明確な説明を求めます。
・信号操作のためとの説明もありますが、交通を常に最優先することを前提としており、明確な書面での説明を求めます。

◎2 について

○蛇行進、渦巻行進、ことさらな駆足行進・おそ足行進・停滞、座込み及び先行てい団との併進、追越し、又はいわゆるフランスデモ等交通秩序を乱す行為をしないこと。

そもそも、条件1による示威行動の公安委員会による制限から、上記行進を選択せざるを得なかった歴史的経緯があります。条件1の撤廃、条件緩和により、参加者自身は2で示された行為を表現の自由として以外は選択しないでしょう。スピードは参加者全体を考えて主催者自らがコントロールします。

◎最後に
わたしたちは、毎回の表現行動において、警察署員等が行動参加者の安全を確保していることは、わたしたちのために働く公務員本来の業務として承知しており、この異議申し立ては敵対を目的とするものではもちろんありません。だからこそ、公安委員会は、交通の利便性のみでなく、表現の自由としての行動を優先する前提で、上記条件なし、公道全面使用を応援すべきと考えます。そしてその方が、無用な混乱を避け、安全に集団としても行動を行えるはずと考えます。また歩行者の側も通行を邪魔されたと感じることが少ないでしょうから、歩行者天国のときのようにストレスは最小化されると考えます。全面使用自体は、マラソンやお祭りのケースでは前例がありますので、不可能というわけではないでしょう。
わたしたちの行動には、お子さん連れやご老人も多く参加しており、上記条件での行動は、長大な待ち時間(3月8日であれば3時間)を強制することとなり、主催者は毎回心を痛めています。また、複数コースへの分割も示威性を弱めてしまいます。

歩行者、ドライバーのみなさんも、交通を邪魔されたと考えるのではなく、自分も表現しようと思ったなら、そうやってよいのだと考え、表現の自由を応援するような一人一人のありかたが民主主義の考え方です。
交通秩序維持も大切ではありますが、わたしたちの表現行動は、国民そして人類自身の公共の安全・利益への思いに基づくものです。不要な待ち時間や交通事故のリスクなどの自己犠牲を最小化した形での権利行使の機会が必要なのです。


各異議への書面による説明、当申し立て日以降の示威行動に対する条件の撤廃を要求します。
4月末日での回答が困難な場合は、事由とともに回答日を指定ください。

異議を申し立て、よろしくご回答、対応されることを要求します。


4/18 4時過ぎ、提出しました。回答は4月中は無理だが、早急に回答しますとのことでした。

6/10

以下の文書が配達証明で来ました。まずはご報告まで。行政不服審査法第47条第1項


訟.訟1第362号
平成15年6月6日
東京都千代田区三崎町二丁目21番6ー302号
異議申立人WORLD PEACE NOW実行委員会
代表者 高田健殿
警視庁警務部訟務課長・印

異議申立てに対する決定書謄本の送達について
あなたが平成15年4月18日に提起した異議申立てに対する決定は、別紙決定
書謄本のとおりですから送達します。

東京都公安委員会達第81号
決定
東京都千代田区三崎町二丁目21番6ー302号
異議申立人WORLD PEACE NOW実行委員会

代表者 高田健
異議申立人(以下「申立人」という。)が平成15年4月18日に提起した異議申
立てについて、下記のとおり決定する。

1 主文
本件異議申立てをいずれも却下する。

2 異議申立ての趣旨
当公安委員会が平成15年3月7日に申立人に対して行った集会及び集団示威運
動の許可(以下「本件許可」という。)に付した条件(以下「本件条件」という。)
の取消し及び申立人が平成15年4月18日以降に当公安委員会に申請する集団
示威運動(以下「将来の集団示威運動」という。)の許可に条件を付さないことを
求める異議申立て

3 当公安委員会の判断
(1)本件条件の取消しを求める異議申立てについて
本件許可の効カは、申立人が申請した平成15年3月8日実施の集会及び集団示
威運動が終了した時点において消滅しているから、本件許可に付された本件条件
の取消しを求める異議申立ては、申立ての利益を欠くものといわざるを得ず、却
下を免れない。
(2)将来の集団示威運動の許可に条件を付さないことを求める異議申立てについ

行政不服審査法に基づく異議申立ては、処分に不服がある者が、その取消し又は
変更を求めることができる制度であるから、申立人が、当公安委員会に対して、
将来の集団示威運動の許可に条件を付さないことを求めるのは、不適法なものと
いわざるを得ず、却下を免れない。
(3)まとめ
以上のとおり・本件異議申立ては、いずれも不適法なものであるから、行政不服
審査法第47条第1項の規定により主文のとおり決定する。

平成15年6月6日

東京都公安委員会
委員長 金平 輝子
委 員 大西 勝也
委 員 豊藏 一
委 員 安西 邦夫
委 員 鴨下 重彦
上記は謄本である
平成15年6月6日
警視庁警務部訟務課長
警視 長谷川 道雄